大黒柱妻の日常 [感想]

この漫画を読んだのは自分自身も「大黒柱妻」であることを決意したからだ。

娘が生まれて家族の役割を考えたとき、私が家計を支えることが現状最適解だと思った。

私たちの住んでいるのは田舎寄りの地域であるため、周りの知人で女性が経済的大黒柱を担っている人は見当たらなかった。そこで「女性として大黒柱になるというのはどういうことなんだろう」と思い、見つけたのがこの漫画である。

丸山ふさ子・40歳。フリーランスのデザイナー。2人の子どもがいます。出産後ワンオペで育児担当をしてきた彼女は、ある日夫の転職を期に家計の7割以上を担う「大黒柱妻」になる。ずっと封印してきた仕事欲を爆発させていくうちに、自分が絶対になりたくなかった「昭和のお父さん」になっていくことに気づくのだけどーー。『母がしんどい』『キレる私をやめたい』の著者が送る、令和時代の共働き漫画! 累計100万PVを記録した、Webメディアcakesの大人気連載、待望の書籍化。

夫と妻の立場逆転から見えてくる、
「女性が家事育児する」が前提の社会ーー。
最適解はどこにある?

https://www.amazon.co.jp/dp/B091PKRRXL/ より あらすじ引用

第一章、第二章、第三章の主人公ふさ子の行動や考えに対して私は「自分はこうではない」というプライドとか嫌悪感を感じていた。しかし第五章以降、ふさ子がのめり込むように忙しく働いているところあたりで「あぁ、自分もこういう考えをしている部分もあるかもしれない」と気づき、ゾワっとしたというか…心がギュッ…となった。

「自分が稼ぐことで夫に楽をさせたい」というのは、経済的大黒柱になることを決意した立場としては自然に湧いてくる気持ちだとは思うんだけど、その気持ちが仕事を頑張ってお金を稼げるようになることに一直線になってしまい、「今が頑張りどきだから」と、家族に対し上の空になってしまうふさ子。

私自身はその「行動」はとっていない(と思う)けど、自分の奥深く、いや、基本的な「考え」の部分には、こうなってしまう可能性の種があるのかも。

だからこそ「自分はこうではない」と、反射的に拒絶していたのかもしれない。

最後にたどり着いた結論が「楽させてあげたいなら、今一緒に家事も育児もすればいいんだよね」という言葉だったので、我が家は最初からそうだったとは思うので、「どちらかがやってくれなかった」という過去が存在するというフラストレーションはない (…はず…夫はどう感じているのだろうか…)。つまり物語のスタートが違う。

でも、反面教師というか…

ひとつのたどり着く可能性のある悪いルートのようなものを見せてもらい、「気をつけよう」と、こうなりそうになったときにこの物語を思い出せるようにしようと思った。

この漫画は7年のワンオペ、その後8ヶ月間仕事に集中した期間の物語。私たちはまだ1年と少し。これから起こることかもしれない…。

…ただ一つ言えるのは、ふさ子と違って私は(今のところ)仕事への熱い想いがあるわけではないということかな (笑)

教訓:

最後のゴールは何なのかを意識すること。そのゴールに向かうための道を進もうとしているのだとしても、それはそのゴールに対して「今」そして「将来」、ゴールが無くなってしまうような行動ではないか。自分の大事はなんのか、見つめ直せるようにしよう。